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                                    2025.11.04
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 中国山地・扇ノ山・・・・2025年11月01日
扇ノ山はとても遠い。氷ノ山は関西の山だが、扇ノ山は中国地方の山だ。大山のように有名ではないから、関西弁を聞くことは稀、今日のような天候だとまず静かなお山で間違い無い。海上集落にお若い人の姿がある。人里離れたお山の中腹は、案外良いところかも知れず、明日は収穫祭のような催しがあるらしい。 収穫のほぼ終わった、秋らしい雰囲気の細い道がクネクネ、厳しい斜度の道が続く。対向車の無い事を祈りながら、ススキの原が見えてくると上山高原。ススキで視界は5m、慎重に車を進めて広い駐車場兼キャンプ地に着いた。強い風の中に車は1台、左馬殿道を行かれたようだが、午後からは寒気で荒れるらしい。 道中の看板によれば、鳥取へ抜ける辺りが通行止め、西から谷を這い上がるコースは行けなくなった。別の目的も叶わない。やむを得ず、県境手前の小ズッコ小屋から歩く事にしよう。幸い風はあっても青空もあり、紅葉がとても綺麗だ。小屋下に車を止めて、見た道傍のブナは見事に染まっている。 小屋を覗いて、杉などの混じる灌木の林を歩くとやがて河合谷コースに出合う。林床は黄色く染まるカエデの葉、林の下をカメラ抱えて翔ぶ様に歩く男性が一人。ありゃ〜妖怪であったかも知れない。ピークから一旦降り、登り返した先が扇ノ山の予定であった。賑やかな男女4名のパーティが降りて来られ、女性二人の歩みは恐る恐る、山支度は立派でハイカットの登山靴、すれ違った直後に転んだ様子、背の高いブナの林に木霊する悲鳴。 さてさて、ピークに至り平坦なアプローチを歩けば見えてくる避難小屋、がない。ここで始めて気が着いた。先のピークは小ズッコで、そしてここは大ズッコ、込めた思いの程は知れないが、そこに今頃気が着いた。何と云う無頓着だろう。遠くの方で雷鳴が聞こえ空は真っ黒、いよいよ寒気がやって来た。間もなく日差しが消え、次は雨かと思っているところへダブルストックの元気なお父様が追い付き追い越して行かれた。 樹木の切れた展望所で鳥取の街を見下し、日本海は空と海の区別も無い。先のお父様が降って来られ、降りは苦手か後ろ姿に勢いが無い。ピークは寒くて、改修中の避難小屋でエネルギー補給、暖かくは無いが寒くは無い。気温は一気に4℃ほど低い。降りに入ると雨が来た。雨と云うより霙である。折角の紅葉どころか夕方のように暗い。 河合谷登山口目指して降る道中、暗いながらも、葉を落とした蔓に垂れ下がる山ブドウは分かる。親水広場で靴を洗い、さて、閉鎖された道路状況はと県境まで歩くと、道の毀損はなく、木材の搬出都合による閉鎖である事が判明した。上山高原には2台の車とテント、降りで出逢った3台を入れると5台ほどの車が、強風と雨のススキの原で、朝を待ち焦がれた事だろう。ボンネットにしがみついた黄色スズメバチ、強制下車させるまで4〜5キロは移動したろう。無事に帰る事ができただろうか。
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                                    2025.10.27
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 京都北山・中山谷山・・・・2025年10月25日
五波谷の中間地点に車を止め、冬の他は滅多に着けなくなったスパッツを着用、これで幾らかヒル対策になる。冷水谷出合いまで戻る間に花は無い。花の代わりに建設中の別荘らしき建築物は見た。水が出ると浸かる恐れもあるだろう杉林の下で、川岸の山ビルに指を食われたところだ。頼まれてもお泊りには行きたく無い。 この上の辺りは熊の居住地である。山ビルごときにキャ〜キャ〜云うのも熊の脅威がないからだ。そうは思いつつも熊鈴と笛だけは吹いておこう。熊対策が済んだところで目の前の急斜面を登る。厳しい登りでふくらはぎは限界まで伸び違和感がある。暫く登ると汗より先に体が怠い。左足のふくらはぎは少し前に痛めていた。昨日は腹の調子が悪くて朝食はパン1個、早朝営業のお店が欲しい。ふくらはぎのこれ以上のダメージは後悔に繋がる恐れも無くは無い。左足を庇いながらのこの斜面は厳しい。 近頃は歩く方も無いのか倒木とアセビのジャングルの途だ。林床に見かけるのは鹿の寝床、豊作のはずのドングリも残るものは少ない。11月を前にして、律儀もののマンサクにさえ紅葉が無い。見かける動物は皆無である。嘗ては笹のジャングル、今では庭園風の木場に登り着き一服。午後からの崩れ予想の空には青空もある。風は温かく、露出した地表に残る跡は鹿のものばかりで熊は居ない。小熊が登っていたシラキの木は枯れている。地表に保水力が無くなった。 鹿に、散髪を強要された松は極短い葉を残すだけだ。これを鹿の盆栽「シカボン」と云う。少し太い林床の木は凡そシカボン、シカボンは至るところにある。北の空に目指す中山きんにくん、ではなくて谷山が覗いている。谷の源頭部を二つ越えた先にあり、疲れた体と心持ちには結構応える。こんな時は熊の出現も悪く無い。 何度か降っては登り、芦生の森が見えて来た。主尾根では強い風が吹く。むかし整備した尾根の藪途も今では歩き辛い。ノコギリは持参しているが、風の強い今日は辞めておこう。しかし尾根の樹木に実のあるものが無い。ドングリの他は全て凶作と言う事か。或いは林床の変化の結果だろうか、暢気な方々には興味の無い事象だ。 18年の風台風で倒れたブナの上でエネルギー補給。風の音に混じって人の声がする。谷を覗くと遥か谷底で写真を撮るヘルメット姿の三人の姿。キノコ取りか沢登りか知れないが谷底の人は始めて見た。ピークを踏み、北部の森を眺める間に一人はもうそこまで登って来ている。雲行きは愈々怪しくお先に五波峠へ、後方からは元気な声が届いていた。 無人の五波峠からはかなりの距離を残している。ほぼ車の無い道は面白い。鹿の食べ残した法面の草花や崩れた岩石は興味の対象である。嘗て、犬連れで尺八を吹き登って来られた南蛮人虚無僧がおられた。そうした事へ繋がる面白い道である。
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                                    2025.10.20
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 多紀アルプス・筱見四十八滝・・・・2025年10月18日
国道走行中にはや雨が落ちる。暗い空から本格的な雨が落ちてくるのも時間の問題、だから他のアクティビティを、と切り換えができるほど器用では無い。出来れば雨は少々、山ビルのいないところ、と言う事で雨の前の四十ハ滝。駐車地に止まる車が1台。崩れ必至の空模様、加えて谷底のルートはとても暗い。先行者があろうとは思わなかった。 流れる水は多く濡れた岩は滑る。今朝などは秋の気温で水に親しむ季節は過去の事。勢いよく落ちる滝の水飛沫は風邪のもとだ。暗い谷底の濡れた岩場が怪しく光る。まさか熊の出没はあるまいから、滑る岩と蝮には注意しよう。先ずは一ノ滝を拝んで巻道を登る。岩の巻道を越えると汗になった。いつもは行かないニノ滝だが、降雨までの予定であるから省略は無い。露出した木の根の道は、濡れると愈々危険でそっと足を置かせて頂き通過。腫れ物に触れてはいけない。 ニノ滝からルートに戻り、少々岩場を通過、光感応細胞の減った目には暗すぎる三ノ滝。ここからも暫く岩棚などを通過、やがて唯一の明るい岩尾根に到達する。折角だから小休止。やや酸っぱいナツハゼの実を2粒ほど口に含み、眼前の岩尾根や集落を眺めつつ汗を拭く。けっこう暑い。足元のクヌギのドングリは帽子付き。岩尾根を降ると再び暗い流れの中、渡渉の後は大きな滝が目の前である。これを四ノ滝とした場合、次の滝は五ノ滝で終わり、これは不味い。 筱見四十ハ滝は確か、しじゅう流れる滝が八つあり、全て名のある滝でこれを黙殺しては乱暴である。が、洒落の様な名前であるし便宜上の事であるから、大きめの滝が五つ架かる渓谷、としても遜色なかろう。これで一件落着、大きめの四ノ滝を見て斜面を登り、岩場をへつって大きめの五ノ滝に着いた。これで滝はお終い、目の前の鎖場を越えると桃源郷の様な平坦地が待っている。 桃源郷に未だ紅葉は無い。手つかずの栗の実が転がる様子は何やら怖くなるほどだ。先行者はハヶ尾山まで行かれたようだが雲行きが良くない。今日はここまでで、雨の前にお山を降ろう。周回ルートのコナラの根本に、今頃には珍しい○○タケが出ている。天変地異の予兆でなければ新発見。
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                                    2025.10.14
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 多紀アルプス・御嶽・・・・2025年10月12日
ノコンギクだかヨメナだが、とかく秋の薄紫のキク科の花はノコンギクだと決めていた。ところが葉を見たところ、鋸歯は少なく大人しい。こうした特徴から結論するとヨメナかもしれない。ヨメナは複数種の名称であるから間違いも少なくなる。故にヨメナとしよう。路傍にヨメナの花の咲き乱れる道の下には豆畑。近頃の篠山の秋は黒豆とともに始まる。黒豆の畑はあっても火打岩は静かな朝であった。 登山口の民家の角を曲がって先行者が行かれた。やや間をおいて角を曲がるとコスモスとヨメナの咲く休耕田にぬける。先行者は防獣柵を過ぎたところ、御岳のピークはガスの中。防獣柵を過ぎると薄暗い植林地、プラ階段が出てくる頃から息が切れる。そんなに厳しそうに見えないながらもここではいつも喘いでいる。辛抱が足りないのか能力が無いのか、いつ歩いても変わりが無い。 尾根道は、ピーク手前と一部を除けば斜度の少ない山腹コース、往時を偲ぶ細やかな遺跡の残る道である。ここで少々休みを入れ、汗などを拭き謂わば垢落とし、改めて歩く先には先行されたお二人がおられてナツハゼの実を収穫中。年の頃は70を越え、お話を伺うと御年80、嘗ての山男であった。ご同行の奥様のお年は一つ少なく79、近頃のご趣味はもっぱら生物学であるらしい。いきなりナツハゼとウラジロの実を勧められ、カマツカの実があればお勧めしたいところ。 お先に失礼して、綺麗な松葉の尾根で一服休息。追いついて来られてまたお話。心もち猫背が気になるほどでとても元気だ。先行されるお二人を追いかけボチボチ歩く御岳道。新たに賑やかな後続ができ、鳥居堂跡で道を譲ると長めの休息モード。お話に夢中で人の様子は目に入らん。先を歩いて大岳寺跡、境内跡で何やら物色中のお二人を発見、何がありますか?、と聞くと、栗、と仰有る。 この後、岩尾根までの登山道にこぼれる栗の多い事。山の生き物には有難い事だ。岩尾根をやっぱりヒーヒー登って岩のテラスで一服休息、定番である。やがて追い付いて来られたお二人が現れ、お孫さんと曾孫さんをご同行。1等席を譲ってお先にピーク。ピーク下から濃いガスと小雨が着いて来た。 主の消えた岩屋を拝んで、シラキの紅葉を見ながら大タワへ降る。大タワ手前の綺麗な尾根に転がる大量の栗、これを貯蔵に回せば飢えることもあるまいに。大タワに降りエネルギー補給、そこへ降って来られ、オニギリを頬張るお二人。やはり小金ヶ岳に行きますか?、とお尋ねすると、行く、と仰有る。林道沿いに興味があるので降りますよと挨拶をして道を分ける。林道沿いの藪では熟したアケビが2種類、やはり沢山の実をぶら下げて、陽射しの中で揺れている。
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                                    2025.09.29
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 但馬・蘇武岳・大杉山・・・・2025年09月27日
万場スキー場に車を置くと、蘇武岳へのルートは2つある。スキー場を詰め谷の両サイドを行くコースと、名色地区から林道を行くコース。起点の名をとり名色コースと漢字では書く。歩く積りはないものの、「ないろ」は響きが良くてお気に入りであった。ところが「なしき」と呼ぶのが正式らしい事を知ってしまった。知らない方が良い事もある。 車を止めると同時に男性が先行された。他にも数名がお山にあるらしい。ゲレンデ脇の栃の木に実が無い。この木の花は見た記憶があって実を着けるものだと思っていた。振り返ると関西で唯一、噴火口の残る神鍋山。芝生の中に転がる軽石は往時のものに違い無い。白花のゲンノショウコは濡れている。曇天の空に陽射しはなく、雨がなければ快適な気温だ。 踏み跡は確り残るもののやや荒れた様子の谷底の途。下山の若者に声をかけると未だ暗い5時から始めたと云う。温泉で過ごす時間に余裕がある。大杉山へのルートを分け、巨樹の谷を這い登る。想定外の厳しい斜面で忽ち汗。名前の通り、太めのサワグルミとカツラ、上部の栃の木は大きい。ここでも下山の男性と遭遇、お山はキノコが豊作だと仰有る。キノコの詰まったザックを背負い(恐らく)、意気揚々と降って行かれた。斜面に顔を出すキノコはスッポン茸だったかな。 谷を詰めた後はトラバース、ゆっくり谷を見下ろし汗を拭く。滝の巻道を終え、谷芯に戻った辺りは秋の実りと動物の気配が漂う。皮を残したクリの実・栃の実は彼らの食事あと、そばには手つかずの実が沢山残る。少し高い木の上には、かなり大きな実を着けた山ブドウが食べ頃に熟れる。風が抜けると音を立てて落ちてきて、足の置き場に困る程。綺麗な青い実のサワフタギは希少になった。 キノコは確かに種類は多い。カエンタケは、弱ったミズナラの根本で確認した。彼はこの様にして種々のキノコを見つけたのだ。収穫にはやや遅いナメコを大量に着けたミズナラは、尾根上の、名色コースの脇にあった。暫くそんな林床が続き、ブナの純林に代わる頃に蘇武岳のピークが覗く。ピークまで残り僅かな辺りで蘇武岳・大杉山の分岐点、今日もやはりピークはパス、残る一つ山〜四つ山、最後に大杉山で充分堪能できるコースである。 先ずは一つ山、ピークのブナは切払われて、陽射しも少々、明るくて気持が良い広場。木陰の倒木に腰掛けエネルギー補給、風が抜けると濡れた身体は寒い。陽射しの中は温かくて、猛暑が去って未だ1・2週間、今では遠い記憶の彼方だ。心細い事この上ない。さて、補給の後は残した行程をこなして大杉山。にこやかな単独女性は元気がある。見下ろす景色に秋色は無い。ナナカマドには気配だけ。 降りの大杉山コースもかなり厳しい。辺りはずっと、ブナの純林が続いている。ここでふと気が着いた。お山が豊作と云うならブナの実に埋まる林床がある筈なのだ。ブナの実は、粃を含めて見ていない。里山ばかりは豊作でも、高所の山は東と同じく不作だろうか。そうした懸念はあるものの、今日は久しぶりによく歩き、お山は長い夏の猛暑にも負けずまずは豊作の様子で、まあ満足であった、としても良かろう。
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                                    2025.09.22
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 宝塚 ・丸山湿原~大岩が岳・・・・2025年09月21日
前線の南下で秋らしい気温だが、そんなにすんなりと秋になっては盛んに鳴くツクツクボウシは身の置きどころが無い。一方で、あぜ道に咲くヒガンバナはやはり彼岸頃の光景で、その色はためらいの無い堂々たる赤だ。セミの声と秋の虫の音色、移り変わる季節の狭間はより複雑になった。 近頃の頭痛は汗を出せば大人しくなる。丸山湿原辺りは雨中の散歩も充分可能、もしや残りもののサギソウなどもあれよかし、と雨後の駐車地に車を止めた。背後の草地は花盛りで、チョウなどが群れて翔ぶ。雨後とあって湿度は高い。大岩ヶ岳へのルートは濡れた笹薮、先ずは湿原で道草を食う。適度に汗になったところで湿原に着いた。サギソウどころか夏の花はすっかり消えて、ガマズミなどの実は綺麗な朱色。 帽子を着けたドングリの転がる道の脇には、小さいながら実を沢山着けた小さな栗の木がある。実りの多い年で間違い無い。ところが米は、新米も古米も高値推移で困ったものだ。元気な声で翔び回るのはソウシチョウだけ、ガラの仲間はなりを潜めて姿が無い。日本の野鳥は駆逐されつつある。湿原を見て回った後は「太陽と緑の道」と道標にあったと記憶している歩き易いルートで進路は大岩ヶ岳。 登り降りの後は見晴らしの良い丘で小休止。勢いに陰りのみえる森を見下ろし、松陰などの事が脳裏に浮かぶ。享年29歳にして、人生の春夏秋冬を知ったとか。とても叶わない。物思いにふける間にアベックが行った。寒い、風の抜ける木陰は寒かった。大岩ヶ岳目指してどんどん降り、ダム方面と別れて大岩ヶ岳への斜度の厳しいルートを登る。このルートは始めてだ。 短いながらも再び汗になり、先行者が汗を拭く大岩ヶ岳に到着。見渡せば、ダムの水と緑の大地と鋭角な山々、山水画の景色を一望にできるピークである。ややあって親子連れの3人が東から、単独の男性が西から到着。狭いピークであるから、皆様自ずと降って行く。頭痛は解消したからこれで良い。降る道中、唯一の狭い植林地はご用心。雨後の露出した杉の根っこはとてもよく滑る。痛い思いはしたくないもの。
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                                    2025.09.08
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 丹波・白髪岳~水山・・・・2025年09月06日
昨日の、小さいながら台風と、南下した前線のお蔭で随分過ごしやすい気温だ。これで秋らしくなったとしたら、少しだけ早い二百十日の野分という事になっただろう。車を出ると、目の前の小さな川は音を立てて流れている。多少肌寒く感じる朝の空気と夏草に降りた朝露、ラジオ体操に出る頃の夏の朝を思わせる光景だ。登山口まで1.5キロをゆっくり歩く。沿道の畑の草は伸び放題、綺麗に手入れの入った栗園だけは芝生の中、今年の実はとても大きい。東北は栗・ブナなどは不作と聞くが、目の前の栗は大きく樫類のドングリも大きい。西日本の実りはどうだろう。 大雨の流れた跡を残す道の上に、比良で始めて見て驚いたケマイマイがいた。デンデンムシと云えば可愛いものに決まっている。ところがこいつはけっこう長い毛があり、おまけに剛毛らしく見えるから可愛どころでは無い。サバイバビリティに寄与する変化であるなら何れ全てのデンデンムシに毛の生じる時期が来るかも知れず、毛なしデンデンムシはお伽話になる恐れもある。怖そうなので触らんとこう。 ぶらぶら歩きで登山口に到着。ほぼ汗は無く、汗腺制御の正常であることを確認した。小さいながら、昨日の雨を集めた谷川に、綺麗な水が流れている。急勾配の途を登り尾根に抜けた。先週の苦労のお蔭でダメージはほぼ無い。四斗谷を見下ろす木陰のベンチで小休止、谷の西にはトンガリ山。成長する樹木で年々展望は限られる。しかし木陰は多くなるから寧ろ都合が良い。 歩き出したところへトレランスタイルの少年が1人、間をおいて徒歩の少年4人が後を追う。話を聞くと、全員高校生で山岳部のトレーニングであると云う。幼い風貌の高校生たちだ。彼らのパスした岩尾根に登り、展望を楽しむ間に次の岩場を登る彼らの姿がある。人数が合わないところをみると更に後続があったようだ。次の岩場はちょっと手強い。短い鎖場を通過した最先端に、デンと腰を降ろした男性が1人。通過に問題は無いものの、通過の序に景色も見たい。高校生の早い通過の謎が解けた。狭い岩場の占拠は如何なものか。 着いたピークは高校生で溢れていた。暑い岩場に長居は無用でさっさと通過、急な北尾根降りで落石でもあると避けようが無い。先んじての降りこそが寧ろ望ましい。降ったところで水山への登り返し。何で水山なのか不明だが、鄙びた篠山郊外への展望がよく、何より涼しい風の吹くピークで温度計は18℃、近頃の低山では破格の待遇だ。一服など入れて暫しのまどろみの時間。北に降る踏み跡はトンガリ山から西寺山を周回するルートでかなり踏まれている。いつか逆コースで辿ってみよう。しかし今日はもう十分に満足した。故に暗い松尾山は端折って、エスケープルートで林道に降ろう。ピークの声が消えた。静かな間にさあ降ろう。
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                                    2025.09.01
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 比良・大津ワンゲル道~釈迦岳・・・・2025年08月30日
暑い最中に涼し気な風を期待出来る、と思っている大津ワンゲル道、7月は天候の悪化で敗退したが、今日は暑さの他に懸念は無い。比良山地の気温の上昇は湖面からの風を呼ぶ。故に冷風が吹き暑気に対抗出来る予定。2車線になった湖西道路は帰りの混雑を払拭した。釈迦岳方面駐車場に車は少ない。相変わらずワンゲル道は人気が無い。小橋の下を流れる水に勢いがある。 先ずは薄暗い溝状の谷中を尾根まで歩く。風も無く湿度が高くて息苦しい。尾根までの辛抱、汗のでかたが先週と同じで、一部の機能障害を疑いたくなるような溢れ方だ。ボチボチ歩く林床に大きいキノコがあっちこっち。イグチの仲間かアカヤマドリの仲間か。異常な出方ではないから大きな災害の懸念は無し。地表を覆う菌類のネットワークは、今のところは人族の予測より信頼出来る。 やっと尾根に出たのにほぼ無風、代わって出たのは後続の男性だ。暑い登山道を黙々と歩く方だ。こちらは変わらずにボチボチ、風化花崗岩を観察しながら歩く。海抜70mの湖面から漏れなく届く水上バイクのエンジン音、暑苦しい、と苦情のひとつも出た過去と違って余裕がある。湖西道路は2車線なのだ。しかし歩けども汗をだせども砦跡は遠い。路傍のオオオニタケかシロオニタケか、大きな傘を拡げたキノコの前でザックを降ろして小休止。水上バイクのノイズに負けじとツクツクボウシが勢いよく鳴く。 草臥れても、歩く限りは目的地に到達する。砦跡(古い石切場跡かな)に着いてやはり小休止、いよいよ風が出て涼しい。この先の厳しい細尾根に備えて水分補給だ。さて、と腰を挙げて細尾根に突入、急角度の両側の斜面は白く、風化花崗岩のザレ場はずっと下まで続いている。降ってもみたいが戻る体力が無い。シャクナゲの丘を過ぎると嫌な急斜面、近頃は風雨に削られ、多少歩き易い溝になった。 お次はイチョウガレ、ほぼ崖状の細尾根をはい登る。岩角・木の根を持って登るので案外に楽。寧ろ全身運動が出来て清々する。小さな溝に小さなママコナが咲いていた。2段構えの崖を超えると釈迦岳からヤケオ山に続く稜線と大岩壁、ジュウイチの鳴く場所なのだが今日は無い。ここまで来るともうヘロヘロ、強制冷却とエネルギー補給の時、イワカガミの上に敷物をして大休止。気温は20℃で涼しい風の吹く木陰だ。 降りは一度も歩かないケーブル釈迦岳コース。下の方でカラ岳コースと出合うルートで、下方は、歩き辛い、真冬でも汗になるルートだ。いざ降り始めて、ケーブル跡地までは東の風が涼しいシャクナゲの尾根であった。予想の通り、ここからが暑かった。風などは望むべくもない谷底の道を辿り、神璽谷コースと出合うと抜けた処が小川。噴出する流れに入って汗を拭き、序に裸になって流れに入ればさぞ気持ちが良い。が、少ないながらここは人の在る場所。子供でなければ裸は顰蹙もの。大人は不自由なものである。
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                                    2025.08.25
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 多可町・妙見山・・・・2025年08月23日
段ヶ峰周回コースの起点となる生野高原GC、雪でなくとも力の入る急坂の道だ。脇道に入ったところに細やかな登山口があり先行車が1台止まる。先行する人があるかと思うと多いに励みになる。簡単な用意を済ませて空を仰ぐとほぼ曇天、だが雨は未だ無い。よく踏まれた登山道を歩くことおよそ5分、膝辺りに蠢く影は何かいな、と見ると見まごう事なき山ビルだ。はて、これは如何なる事かと靴に目を落すとそこにも蠢く山ビルがいる。5分で2匹はけして少なくは無い。情けない事ながら、血を見る前に段ヶ峰は中止、転進先は多可町の妙見山にしよう。1度歩いただけだが山ビルはいなかった。 東山古墳群の前に車を止めると道路は濡れている。幸い雨ほどは止んだ後だが草木は濡れて湿度が高い。ゆっくり展示館見学などの選択肢もあり得るのだが、それでは余りに情けない。防獣柵を開け東山登山口へ向ってボチボチ歩き、風が無い。やがて夏草に埋まる登山口が見えてきた。濡れた夏草の中は苦しいに違い無い。降りに回して林道を詰めた牧野登山口から周回する事にしよう。 風が起こればも少し元気が出るはずなのだ。ボチボチ歩く林道も、綺麗なところばかりなら楽なのだが、夏草に埋まる辺りは脅威である。砂利を這う毒々しい毛虫に驚き辺りを見ると、イラクサ科の植物を食べ尽くすフクラスズメの幼虫、山ビルも脅威であるが毛虫は不倶戴天の魔性のものだ。何だかこの先を占う様な光景で愈々トボトボ歩きに拍車がかかる。因みに、フクラスズメの幼虫・成虫は無毒で人に危害を加えるものでは無い。ただ毛虫は頂けない。 そんな中、ミヤマアカネの翔ぶ姿は慰めであった。牧野登山口に続く明るい林道の上で小休止、登る前に大いに疲れた。ほんとに行く?、と自問する心持ちが台頭するも、ここで止めては後悔が残る。登山口を塞ぐネットはボロい。近頃の踏み跡の無い植林地の下は暗かった。記憶では、植林地が尽きた辺りで厳しい斜面に変わり、少し登れば尾根に出る予定だ。そろそろ斜度が出る辺りで腰を降ろして休みを入れた。今思えば何と大胆な事をしたものだろう。 暗くて割れ石の多い道では足元に不安がある。足の置処を確認すべく見た枯葉の上で、首を回して獲物を狙う山ビルが3匹、えらい処に踏み込んでしまった。これから斜度が増すと云うのに何としたものか。ムンクの絵の如き心情だ。出来れば岩だけを歩いて登りたい。そんな歩きが出来る訳もなく体力も要る。そうでなくても暑くてムシムシ、これ以上のムシは無視したい(過去形は楽ですな)。ズボンを這い登る山ビルには翻意のほどを説く暇もなく、着いては払い、祓っては祈りの道程であった。 そんな光景の仲、遂に堪忍袋の緒も切れた。この際、寧ろ反撃こそが心の平穏に資するのではないか。ライターを取り出し、払った山ビルは火刑に処する。そんな方針転換の後は攻撃は少なく、既に彼らの居住エリアを越えたようで、尾根に乗った処でどっと出た疲れで青色吐息。岩に腰掛け暫しの戦士の休息だ。が戦闘モードの完全解除では無い。残る高度を稼いでやっと岩のピークに着いた。内から冷たいもので強制冷却、食欲は無い。 降りは南の尾根で風はあり、が暑くて汗腺は開きっぱなし。やはり思いの他長い道のりを歩いて東山登山口に帰還した。今日は今年で1番暑い日であった。
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                                    2025.08.21
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