NEWS

お知らせ

2025.09.08

四季の山紀行(飛計路のブログ)

■ 丹波・白髪岳~水山・・・・2025年09月06日

昨日の、小さいながら台風と、南下した前線のお蔭で随分過ごしやすい気温だ。これで秋らしくなったとしたら、少しだけ早い二百十日の野分という事になっただろう。車を出ると、目の前の小さな川は音を立てて流れている。多少肌寒く感じる朝の空気と夏草に降りた朝露、ラジオ体操に出る頃の夏の朝を思わせる光景だ。登山口まで1.5キロをゆっくり歩く。沿道の畑の草は伸び放題、綺麗に手入れの入った栗園だけは芝生の中、今年の実はとても大きい。東北は栗・ブナなどは不作と聞くが、目の前の栗は大きく樫類のドングリも大きい。西日本の実りはどうだろう。

 

大雨の流れた跡を残す道の上に、比良で始めて見て驚いたケマイマイがいた。デンデンムシと云えば可愛いものに決まっている。ところがこいつはけっこう長い毛があり、おまけに剛毛らしく見えるから可愛どころでは無い。サバイバビリティに寄与する変化であるなら何れ全てのデンデンムシに毛の生じる時期が来るかも知れず、毛なしデンデンムシはお伽話になる恐れもある。怖そうなので触らんとこう。

 

ぶらぶら歩きで登山口に到着。ほぼ汗は無く、汗腺制御の正常であることを確認した。小さいながら、昨日の雨を集めた谷川に、綺麗な水が流れている。急勾配の途を登り尾根に抜けた。先週の苦労のお蔭でダメージはほぼ無い。四斗谷を見下ろす木陰のベンチで小休止、谷の西にはトンガリ山。成長する樹木で年々展望は限られる。しかし木陰は多くなるから寧ろ都合が良い。

 

歩き出したところへトレランスタイルの少年が1人、間をおいて徒歩の少年4人が後を追う。話を聞くと、全員高校生で山岳部のトレーニングであると云う。幼い風貌の高校生たちだ。彼らのパスした岩尾根に登り、展望を楽しむ間に次の岩場を登る彼らの姿がある。人数が合わないところをみると更に後続があったようだ。次の岩場はちょっと手強い。短い鎖場を通過した最先端に、デンと腰を降ろした男性が1人。通過に問題は無いものの、通過の序に景色も見たい。高校生の早い通過の謎が解けた。狭い岩場の占拠は如何なものか。

 

着いたピークは高校生で溢れていた。暑い岩場に長居は無用でさっさと通過、急な北尾根降りで落石でもあると避けようが無い。先んじての降りこそが寧ろ望ましい。降ったところで水山への登り返し。何で水山なのか不明だが、鄙びた篠山郊外への展望がよく、何より涼しい風の吹くピークで温度計は18℃、近頃の低山では破格の待遇だ。一服など入れて暫しのまどろみの時間。北に降る踏み跡はトンガリ山から西寺山を周回するルートでかなり踏まれている。いつか逆コースで辿ってみよう。しかし今日はもう十分に満足した。故に暗い松尾山は端折って、エスケープルートで林道に降ろう。ピークの声が消えた。静かな間にさあ降ろう。