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2025.09.22

四季の山紀行(飛計路のブログ)

■ 宝塚 ・丸山湿原~大岩が岳・・・・2025年09月21日

前線の南下で秋らしい気温だが、そんなにすんなりと秋になっては盛んに鳴くツクツクボウシは身の置きどころが無い。一方で、あぜ道に咲くヒガンバナはやはり彼岸頃の光景で、その色はためらいの無い堂々たる赤だ。セミの声と秋の虫の音色、移り変わる季節の狭間はより複雑になった。

 

近頃の頭痛は汗を出せば大人しくなる。丸山湿原辺りは雨中の散歩も充分可能、もしや残りもののサギソウなどもあれよかし、と雨後の駐車地に車を止めた。背後の草地は花盛りで、チョウなどが群れて翔ぶ。雨後とあって湿度は高い。大岩ヶ岳へのルートは濡れた笹薮、先ずは湿原で道草を食う。適度に汗になったところで湿原に着いた。サギソウどころか夏の花はすっかり消えて、ガマズミなどの実は綺麗な朱色。

 

帽子を着けたドングリの転がる道の脇には、小さいながら実を沢山着けた小さな栗の木がある。実りの多い年で間違い無い。ところが米は、新米も古米も高値推移で困ったものだ。元気な声で翔び回るのはソウシチョウだけ、ガラの仲間はなりを潜めて姿が無い。日本の野鳥は駆逐されつつある。湿原を見て回った後は「太陽と緑の道」と道標にあったと記憶している歩き易いルートで進路は大岩ヶ岳。

 

登り降りの後は見晴らしの良い丘で小休止。勢いに陰りのみえる森を見下ろし、松陰などの事が脳裏に浮かぶ。享年29歳にして、人生の春夏秋冬を知ったとか。とても叶わない。物思いにふける間にアベックが行った。寒い、風の抜ける木陰は寒かった。大岩ヶ岳目指してどんどん降り、ダム方面と別れて大岩ヶ岳への斜度の厳しいルートを登る。このルートは始めてだ。

 

短いながらも再び汗になり、先行者が汗を拭く大岩ヶ岳に到着。見渡せば、ダムの水と緑の大地と鋭角な山々、山水画の景色を一望にできるピークである。ややあって親子連れの3人が東から、単独の男性が西から到着。狭いピークであるから、皆様自ずと降って行く。頭痛は解消したからこれで良い。降る道中、唯一の狭い植林地はご用心。雨後の露出した杉の根っこはとてもよく滑る。痛い思いはしたくないもの。