NEWS
お知らせ
2025.08.25
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 多可町・妙見山・・・・2025年08月23日

段ヶ峰周回コースの起点となる生野高原GC、雪でなくとも力の入る急坂の道だ。脇道に入ったところに細やかな登山口があり先行車が1台止まる。先行する人があるかと思うと多いに励みになる。簡単な用意を済ませて空を仰ぐとほぼ曇天、だが雨は未だ無い。よく踏まれた登山道を歩くことおよそ5分、膝辺りに蠢く影は何かいな、と見ると見まごう事なき山ビルだ。はて、これは如何なる事かと靴に目を落すとそこにも蠢く山ビルがいる。5分で2匹はけして少なくは無い。情けない事ながら、血を見る前に段ヶ峰は中止、転進先は多可町の妙見山にしよう。1度歩いただけだが山ビルはいなかった。
東山古墳群の前に車を止めると道路は濡れている。幸い雨ほどは止んだ後だが草木は濡れて湿度が高い。ゆっくり展示館見学などの選択肢もあり得るのだが、それでは余りに情けない。防獣柵を開け東山登山口へ向ってボチボチ歩き、風が無い。やがて夏草に埋まる登山口が見えてきた。濡れた夏草の中は苦しいに違い無い。降りに回して林道を詰めた牧野登山口から周回する事にしよう。
風が起こればも少し元気が出るはずなのだ。ボチボチ歩く林道も、綺麗なところばかりなら楽なのだが、夏草に埋まる辺りは脅威である。砂利を這う毒々しい毛虫に驚き辺りを見ると、イラクサ科の植物を食べ尽くすフクラスズメの幼虫、山ビルも脅威であるが毛虫は不倶戴天の魔性のものだ。何だかこの先を占う様な光景で愈々トボトボ歩きに拍車がかかる。因みに、フクラスズメの幼虫・成虫は無毒で人に危害を加えるものでは無い。ただ毛虫は頂けない。
そんな中、ミヤマアカネの翔ぶ姿は慰めであった。牧野登山口に続く明るい林道の上で小休止、登る前に大いに疲れた。ほんとに行く?、と自問する心持ちが台頭するも、ここで止めては後悔が残る。登山口を塞ぐネットはボロい。近頃の踏み跡の無い植林地の下は暗かった。記憶では、植林地が尽きた辺りで厳しい斜面に変わり、少し登れば尾根に出る予定だ。そろそろ斜度が出る辺りで腰を降ろして休みを入れた。今思えば何と大胆な事をしたものだろう。
暗くて割れ石の多い道では足元に不安がある。足の置処を確認すべく見た枯葉の上で、首を回して獲物を狙う山ビルが3匹、えらい処に踏み込んでしまった。これから斜度が増すと云うのに何としたものか。ムンクの絵の如き心情だ。出来れば岩だけを歩いて登りたい。そんな歩きが出来る訳もなく体力も要る。そうでなくても暑くてムシムシ、これ以上のムシは無視したい(過去形は楽ですな)。ズボンを這い登る山ビルには翻意のほどを説く暇もなく、着いては払い、祓っては祈りの道程であった。
そんな光景の仲、遂に堪忍袋の緒も切れた。この際、寧ろ反撃こそが心の平穏に資するのではないか。ライターを取り出し、払った山ビルは火刑に処する。そんな方針転換の後は攻撃は少なく、既に彼らの居住エリアを越えたようで、尾根に乗った処でどっと出た疲れで青色吐息。岩に腰掛け暫しの戦士の休息だ。が戦闘モードの完全解除では無い。残る高度を稼いでやっと岩のピークに着いた。内から冷たいもので強制冷却、食欲は無い。
降りは南の尾根で風はあり、が暑くて汗腺は開きっぱなし。やはり思いの他長い道のりを歩いて東山登山口に帰還した。今日は今年で1番暑い日であった。