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2025.03.29

四季の山紀行(飛計路のブログ)

■ 鈴鹿・御池谷~御池・・・・2025年03月29日

御池の雪はもうほとんど消えた様子で、僅かな間ながら、雪のある温かいお山、と云う我儘のまかり通る週末だ。予報では、必ずしも良いお天気とは云わないが、歩き始めた鞍掛橋には充分な日射しが届く。R306のゲートは開き、峠から歩けば楽ができる。我儘を適えてその上楽をしては天道に悖る。故に、ゲート閉鎖時のルートである、鞍掛橋から御池谷を遡上、ヒルコバに至るルートを歩く。ヒルコバでは、開いたばかりのフクジュソウが迎えてくれたのは前回の事だ。が、あれは相当むかしのお話で今日の谷はどんなだろう?。大いに変わった林道を後に谷に突入、流出した砂礫に代わり、カレンフェルトの大岩小岩の間を登る。

左手に続く谷を分けると水量が減り、そのぶん谷も小さくなった。この谷が果してヒルコバに続く谷であるのかどうか。何か指標でもあれば、と思う頃に、木に吊るした古い小さな道標が残っていた。見上げた空に鈴ヶ岳のピークがひときわ明るい。やがて水も無くなる辺りで谷が分かれる。真っ直ぐ登ると崩壊地、左は同じく石ゴロゴロの谷が続く。崩壊地は有難くないので進路は左、両岸は更に険しい崖が続く。

どうやら谷も終わりらしい様子、そろそろ緩むであろう斜面の先は、と見て間違いに気が付いた。この先は深いき裂のゴルジュである。左に鞍掛尾根の見える地点で左の斜面は登れる程度、地図を見ると鞍掛尾根の支尾根である。選択肢がないので支尾根を行こう。登った尾根は植林地、日陰の風は冷たかった。杉の林を抜けると日射しの溢れる残雪の上、ところが強烈な風は痛いほど冷たい。正面に鈴ヶ岳から鈴北・御池が覗き、振り向くと雪の消えた霊山、残雪の伊吹山、背後に真っ白な金糞岳辺り、素晴らしい光景ではあるがとても寒い!。

鞍掛尾根ルートに出ると少ないながら人影がある。残雪の尾根を登って鈴北岳、そこから見る雪の消えた御池の日本庭園、広大な山頂大地。ぼんやり眺めていると霧氷が付く。フクジュソウに会うべくヒルコバ方面に下降。登って来られた方々のお話では、花は未だ少なく雪の下とのこと。せめて花一輪でも、と降ったカレンフェルトの斜面で探す事30分ばかり、バイケイソウの芽は見るもののフクジュソウの姿は無い。

風の少ない南斜面の日溜りでエネルギー補給。ここでもまた、フクジュソウは絶滅だろうか、それとも早過ぎたのか。些か意気消沈の体で鈴北への登り返し。その様子を見たらしい降りの方のお話で、満開の群落の存在を知った。後は鞍掛尾根の冬道を辿って急降下、天気は下り坂の様相だが、下界の風は温かい。橋のたものとフサザクラは半咲きであった。