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2025.05.11
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 京都西山・地蔵山・・・・2025年05月11日

天気予報は夜から雨だと云う、が、北部の空を覆う黒雲は怪しい。天気図に見えない冷たい空気が流れて来ると雨だってあり得る。幸いな事に、樒ヶ原の上空には薄雲の中にも青空が覗く。他にハイカーの姿は無い。歩き出すと直ぐ、道上にクリンソウの畑があってお花は見頃。少し離れた府道沿いの石垣にはユキノシタ。天ぷらにもなる便利な花だ。近頃は見る機会の少なくなったジンジソウ・ダイモンジソウと同じ仲間でありながら、故なく人気の無い花である。
ジープ道をぼちぼち歩き。急斜面の凸凹道に散乱する片麻岩、特徴から判断すると、素人ながらホルンフェルスではないかと思う。腐敗の季節を過ぎ、再生の季節の林が美しい。額に汗して登ること1時間、愛宕山の一際小高い杉林が見えて来た。本来のピークは神社の中、旧スキー場へ越えると便宜ピークより高くて900を超える。地蔵山に続く尾根を歩くと辺りに人の気配が無い。人の気配の消えた新緑の林にヤマツツジが良く映える。
無人かと思った地蔵山には先行者が食事中。ガンダーラ文化の粋を極めたかどうだか克く分からない木仏の残骸を見て西向地蔵様にご挨拶。残念ながらカタクリはお終い、お地蔵様は変わらずにこやかであった。北側の空き地でエネルギー補給、芦見峠方面から来られた方々が賑やかだ。
ふと見た林床に咲く地獄の釜の蓋、別名キランソウだが、良く調べるとニシキゴロモ・ジュウニヒトエなどと麗しい名の花々もあって同定が難しい。同じシソ科の花なのに、何故地獄なのだろう。素朴な疑問。さて、峠から登って来られた方々がいて、話題にヒルのお話は無い。今年の春は些か寒い事だしヒルは未だお休みではないか、いやお休みに違い無い。お休みならば芦見峠に降って周回ができる。
降る道中、新たに熊用鐘が4箇所も設置された。何れも釜・鍋を利用したものだが釜の音色は叩くに値する。だが、熊には山奥にいて欲しい。目の前の斜面を降って行くのはアナグマだ。無事に越畑に下山、人の無い家の庭には満開の花々が咲き、人に代わってジャコウアゲハが群れて飛ぶ。花々の咲く時期を忘れるものは、ひょっとすると、人だけかも知れないな。