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2025.08.04
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 湖南アルプス・笹間ケ岳・・・・2025年08月02日

アメダスを見るとどこもかしこも危険な気温、せめて水に親しむ事が出来れば過ごしやすい。台高などに行こうと思えば片道4時間ほども必要で、それで沢の傍を歩くだけでは勘定が合わない。無駄を承知で、近くて木陰が多くて風も少々、綺麗で涼しいところ、を探してみたがあるわけはない。天気図には近付く台風の影響がジワリ、関西は概ね北からの風。琵琶湖を渡る風の行き先は湖南だ。今日の湖南アルプスは涼しいに違いない。流石に焼けた低山に長居は禁物、1度歩いたきりだが笹間ヶ岳は距離もなく標高差も少ない。
今日はお休みなのか、高速道路の工事現場に人影は無い。登山口横の駐車地に先行車は1台、早朝の散歩を終えた方が降って行く。暫くは谷川に沿うルートで未だ早朝と云う時刻、涼しさどころか妙に湿度が高い。一晩経った後の岩から熱線が出ている。流れる水に手を浸すと、けっこう冷たくて5分間は歩く力になる。風の無い谷底から這い出ると僅かな風が有難い。シダの道から二人の男性が降って行った。
尾根に出たところに砂礫で出来た池がある。周辺には小さなトンボが翔び小さな花が咲いている。肉眼でも見えないものを写そうと云うのだから、工夫なしではまず無理だ。「考える葦」の実践には暫し時間が必要、で多いに道草を食う。食った結果はミミカキグサ、ミカズキグサであった。期待したように、雲の多い空で陽光は少ない。が、一旦お日様が覗くと過酷な暑さ、腰を上げるとクラクラする。次の池ではサギソウを探してみたが未だ尚早、どのようにして住みついたものか、池の主はウグイである。
ほぼ平坦な木陰の先に平坦地がある。流れの先は古い砂防ダム、そこには鮒の一族が住み着いていて、アカハライモリが下宿人。水際に映る人影などに動じる様子は微塵も無い。人であれば、仙人の域にあるものと考えてよい。木のベンチにザックを降ろして歓談する事暫し。遂にはパンの饗応を提案してみたが一族の口には合わず、虚しく水底の藻屑と成り果てた。一族はまた、詰まらなそうに、各々池の周りの散策に戻っていった。
さて、随分長居をしてしまった。低いとはいえ、巨岩の立つピークは目の前にあるはずなのだ。シダの尾根を超え岩場のザレを降り、記憶のピークはとっくに過ぎても未だ到達しない。記憶のあてにならない事は今更ながら、着いたピークの大岩へ登り、琵琶湖を見下ろしながら冷たい物で身体を冷却。食欲は無し。北側を覗き込むと概ね30mくらいの高さで冷や汗は出ない。岩を降りると気持ちの良い風があった。
周回ルートは確認が出来てないのでピストンする。降りの道草は食わないように心掛けたつもりであるが何分にも興味深い地域であるから足が止まる。愈々盛んに溢れる汗。木陰の下に止めた車は34℃、汗を止める手段はエアコンの他に無い。