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2025.07.22
四季の山紀行(飛計路のブログ)
■ 京都西山・愛宕山・・・・2025年07月19日

樒ヶ原の駐車場は案外に涼しかった。ここを猛暑が襲うようなら行くところに窮する。ここから嵯峨水尾までの数キロは木陰の府道、水尾から愛宕山まで樹林の回廊を登る。少々の日射し程度で揺るぐものでは無いのだ。用意の間にもう1台、出て来られたのは男性1人、近頃は廃道と化した旧参詣道を辿る方もおられはするが、どれを取っても楽しくは無い。風に吹かれて木陰を歩き、草葉の陰で大汗になり、もって表参道を(できれば)悠々と歩くスタイル、は中々良く出来たコースだと思っている。
曲折の多い杉林の道に車が多い。がこれも、庶民の移動時間を過ぎる頃には静謐を取り戻し、国際色豊かなよろめき自転車の時間帯、清和天皇に朝の挨拶をする傍ら、挨拶に限れば達者な日本語で、白人の凸凹コンビが登って行った。ここ迄はほぼ降るばかりの道のりで汗は無い。水尾の湧水は冷たく、柚子は未だ青く小さい。集落中程の案内を境に、汗の噴き出す様な急斜面の道に代わる。この道を、車で登ろうとした親子を思い出した。あれは楽しい親子であった。
坂道の途中、ビール350円・梅干しあります、とサンプルを門先に列べた家があった。降りなら魅力的なディスプレイだが登りで見せられても如何なものか。しかしビールは安い。くの字を書いて登るコンクリート道も少なかろう。本番前に大汗である。愈々本番の樹林の回廊、響きは良いが実に厳しい斜面が続く。緩むところは皆無である。トレランスタイルの若者は早い。が、地図を見ながら明瞭な道を誤るようでは心もと無い(小原道という未踏ルートがあるようです、ごめんね)。嘗ては、黒門手前の花売場まで毎日登ったと言う水尾の方々は達人である。
何とか表参道に到達し、お休み小屋で身体はお休み。壁掛けの温度計は25℃。実際はもっと涼しく21℃くらいの手持温度計に軍配。ここからはひたすら恋しい黒門の影、往来の中、情け無い格好はご法度である。黒門が見えて漸く愛宕山休憩所。賑やかな方々の隣の方に席を占め、20℃ばかりの微風の中でエネルギー補給。途中で抜いた初老の男性が到着した。
一服するには境内は憚られる。愛宕さんは火の神様、点けた途端に大雨では皆様に申し訳無い。ジープ道に移動して一服、目の前をトレランの二人が行く。彼らを追う形でジープ道を降る。展望の拓ける地点で何やら起きるざわめき。草木の無いここは水尾に降る谷の源頭部で、その様な大会のコースである。ここを降る若者が二人、遅ればせながら、先の二人の姿も急斜面に消えた。
これは若者のお話で、よもや年の頃は6〜70、どうみてもよいお歳のアベック、触発された様子でジープ道を今から降り登って来ると仰る。距離は少なく標高差は500ほど、厳しい斜度ではあるが不可能では無い。が、着衣などの乱れとともに、再び登って来られた時は正直驚いた。近頃のおじ様おば様には頭が下る。
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