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2025.03.15

四季の山紀行(飛計路のブログ)

■ 丹波・向山連山・・・・2025年03月15日

暗くて今にも泣き出しそうな空、春霞と呼べば麗しくもあるがその正体は黄砂、冷たい風に晒されると、落ち込む気持を立て直す術が無い。どうかすると撤退の2文字が浮かんで来る。雨なら雨の、雪なら雪の歩き方がある。今日くらい嫌な朝は珍しい。ま、嘆いていても仕方ないから先ずは水別れ公園まで歩こう。土手の水仙はチラホラ咲き、谷川の水流の傍の小石は魅力がある。

こんな天候に拘わらず、散歩を日課とする皆様は元気である。中には日本一低い本州分水嶺の所以に就いて、説明を始める方もおられ、吹き抜ける冷たい風でさえ、彼らの意欲を削ぐ事が出来ない。天の神さんにはイソホ物語を勉強しなさい!。

トイレに寄って防獣扉を開けると直ぐ、左の急斜面を這い上がるルートがある。「2の峰登山口」と書いた消えかけの小さな指標はあるものの、酷い斜度のズルズル斜面にほぼ踏み跡は無かった。死ぬような事はないからお好きな人が辿るルートだ。一方、こちらも厳しい斜度で、一気に珪石山まで登るルートで楽では無い。が、尾根を行くので明るさに勝る。先ずは谷底の植林地から始まるルートだ。

植林地を抜けると荒廃した展望所までつづら折れの踏み跡を登る。山腹には太いアベマキが多く、厚いアベマキの落葉を踏みつつ高度を稼ぐ。この時期のこの谷の落葉を踏むと煙が立つ。暫く歩くと靴やズボンに付着して真っ白、何を隠そう、これは全て花粉と黄砂、アレルギーの方が見たら引きつけを起こしそうな光景だろう。が、鼻水や鼻血は出ても花粉症にあらず、アトピーで埋まる席に花粉症は座れないのだ。エッヘン!

細尾根に出ると風が冷たい。ツツジもコブシも蕾は硬い。そうして徐々に加わる斜度の中、気休めは補強著しいトラロープ、補強はされても山頂までの搬送サービスは未だである。仕方がないので自力搬送、飛び出た珪石山の展望にご褒美は無い。ご褒美が無いなら探すまで。露天掘りらしき鉱山跡に降って辺りの岩を少々掘削、下手すると脆い岩もろとも埋まってしまう危険がある。この山は人情を解さぬ山であった。

後はさっさと周回を済ませて帰るべく、蛙小峰は失念したが、五の峰、魅力に乏しい向山、北峰、四の峰、ここで早咲きのヒカゲツツジを探してみたが虚しい結果、三の峰では、天に向って僅かばかりの自己主張をしたばっかりに雪を貰い、最後は、登りに厳しい例のルートを転がり落ちて周回を完了。下界に下ると雪は雨に、今日は見どころに乏しいお山であった。